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研究の進捗状況や,ウナギに関する動向について投稿いたします。

東アジアにおける、アメリカウナギに対する需要が急拡大していることを報告した論文が発表されました

中央大学の白石広美研究員らによる研究により、養殖を目的とした東アジアへのアメリカウナギ(Anguilla rostrata)の稚魚の輸入が急増しており、絶滅危惧種である同種の資源をさらに減少させる可能性があることが示されました。日本はウナギ消費量の3分の2を輸入に頼っており、その中にはアメリカウナギも多く含まれると考えられます。ウナギの一大消費国である日本には、アメリカウナギを含むウナギ属の持続的な利用の実現に向け、さらなる主導的な役割が求められます。(中央大学プレスリリースより)

詳しくは中央大学プレスリリースをご覧ください。

人工騒音が海洋無脊椎動物に与える影響に関する総説論文に参加しました

スペイン カタルーニャ州の工科大学(Universitat Politècnica de Catalunya – Barcelona Tech PC 略称:UPC)の応用生物音響学研究所が主導した、国際的な研究グループによる文献調査に参加しました。「Frontiers in Marine Science」で公開されたこの研究では、海洋における人間の活動によって発生する騒音が、海洋無脊椎動物および海の生態系にダメージを与えていることが示されました。詳しくはプレスリリース「世界の科学者が警鐘を鳴らす 人為的な騒音が海洋無脊椎動物に与える深刻な影響」をご覧ください。

アメリカが水産物輸入監視制度(SIMP)へのウナギの追加を検討

米国海洋大気庁海洋漁業局(NMFS)はIUU漁業や水産物詐欺を撲滅することを目的として、ウナギを米国水産物輸入監視制度(SIMP)に追加することを提案しています。以下に提案の内容のうち、ウナギに関わる部分を要約しました。実際の提案はこちらのリンクからご覧ください。

  • NMFSは、SIMPへのウナギを含む広範な種の追加とSIMP規則の修正を含む規則案を公表した。
  • SIMPへ追加するウナギは、ウナギ属魚類全16種を対象としている。
  • 提案ではSIMPにウナギを追加する背景として、以下のような状況に言及。
    • 違法な漁獲と取引、マラカイトグリーンなど安全ではない添加物の使用。
    • アジア市場での高い需要とニホンウナギやヨーロッパウナギの資源枯渇によって、アメリカウナギが注目されている。
    • 2022年に密輸が摘発されたヨーロッパウナギは、意図的にアメリカウナギと表示されていた。
    • INTERPOLの報告書によれば、犯罪者によるウナギなどの水産物の搾取が、関税規制の回避、脱税、人身売買、食品偽装など、他の犯罪や行政的な不正と関連している。
    • 2023年12月5日追記:SIMPの対象魚種拡大の規則案が撤回されたという情報が発表されています。
      詳細はNOAAの発表をご覧ください。
  • ご挨拶

    中央大学海部研究室のページです。2017年に旧ページを開設しましたが、2021年に大学のサーバーが移転したこと…


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