ニホンウナギとは

ニホンウナギはマリアナ諸島の西方海域で生まれます。日本だけではなく中国、台湾、朝鮮半島など東アジアの河川で育ち、産卵をしにまたマリアナへ戻っていくことがわかっています。

分類と分布

ウナギ科ウナギ属に属するニホンウナギ(Anguilla japonica)は、日本、中国、台湾、韓国など東アジアに広く分布します。日本では、おもに本州以南に生息していますが、北海道で捕獲された事例もあります。

生態

ニホンウナギの回遊

ニホンウナギは太平洋のマリアナ諸島西方海域で夏ごろに産卵します。孵化後にレプトセファルスと呼ばれる柳の葉のような形をした幼生となります。

シラスウナギ

海流に流されて、6か月ほどかけて東アジアに到達すると、細長い円筒形のシラスウナギに姿を変え、満ち潮に乗って河川に進入します。

黄ウナギ(撮影:脇谷量子郎)

その後、透明だった身体に色が付き始め、黄ウナギと呼ばれるようになります。黄ウナギ期はウナギが大きく成長する時期で、エビやカニ、小さな魚や昆虫など、さまざまな餌を食べます。

銀ウナギ(撮影:脇谷量子郎)

ニホンウナギが成長期を過ごす環境は、沿岸域から河川の上流域まで幅広く、淡水域だけでなく、汽水域や海水域も含まれます。数年から十数年かけて、オスでおよそ40cm以上、メスでおよそ50cm以上の大きさに成長すると、成熟を開始し、銀ウナギと呼ばれるようになります。

銀ウナギは、秋から冬にかけて、住み慣れた河川や沿岸域を離れ、産卵場へ旅立ちます。マリアナの産卵場まで、およそ半年をかけてたどりつき、産卵を行うと、その一生を終えます。

世界のウナギのなかま

インドネシアで捕獲されたオオウナギ(写真:萩原聖士)

ウナギのなかまには、ニホンウナギを含めて16種が存在します。ウナギの祖先はインドネシア、マレーシア周辺の熱帯で生まれました。熱帯に生息するウナギから、ニホンウナギを含む温帯に生息する種が分化したと考えられています。ウナギの仲間にはとても大きく成長するものがあり、例えば、日本の南西部を含む世界中の温暖な水域に広く生息しているオオウナギは、最大で全長2m、体重20kgにもなります。

ニホンウナギが蒲焼になるまで